久しぶりに身に着けようとしたら指輪が黒くなっていた。
石も指輪も全体的に曇ってしまって輝きがない・・。
綺麗にしたいけど方法が分からない。
そんなお悩みを解決する為に、家庭でもできる「プロ直伝のジュエリーのお手入れ方法」を分かりやすく説明します。
単純に分けると化学変化による変色と、汚れが付着している場合の2つに分けられるので参考にしてみて下さい。
目次
黒くなったシルバー製品を綺麗にするには
お気に入りなんだけど黒く変色してしまったから使ってない。
これはジュエリー好きなら一度は経験があるんじゃないでしょうか?
まずはこのパターンの原因と解決方法から説明していきます。
そもそもなぜ黒く変色してしまうのか
シルバー製品がなぜ黒く変色してしまうのかというと、シルバーの硫化(りゅうか)という現象のせいです。
時間と共に空気中の硫黄分とシルバーが反応して黒く変色してしまいます。
とても多い分かり易い具体例としては、温泉に入って出てきたら、シルバー製品が温泉の硫黄分と反応し真っ黒に変色してしまったなどです。
そして、金製品だとしても18金などは銀が含まれている合金のなので、その場合も同様に変色してしまう事があります。
よく、シルバーの指輪が変色してしまったと耳にしますが、実はそうではないです。
この解決方法にはいくつかありますので順番に説明していきますね。
重曹を使った方法
重曹ならご家庭にあるという方も多いと思います。
この重曹を、湿らせた指先に付けて黒くなってしまった部分を軽くこすります。
それだけで元の色味が出てきますので、水洗いして重曹をしっかり落としたら水気も拭き取っておいてください。
重曹よりもおすすめ。専用のクロスを使う方法
今は市販品でジュエリー用の磨きクロスが売っています。
これは本当に便利な道具で、軽くこするだけで変色を落とせます。
更にそれだけではなく、この磨きクロスにはジュエリー用の研磨剤が含まれているものが多いので、
多少の曇りもある程度までは綺麗に出来ます!
使い方は簡単、磨きクロスでこするだけ!
下の画像のように気になる部分をクロスでこすっていると、クロス自体が黒くなっていくのですが、汚れではありませんのでそのまま磨いて問題ないです。
汚れたからといって洗濯してしまうと、効果が無くなる事もあるのでクロスは洗わないで下さい。
半分だけ軽く磨いたリング
超微粒子の研磨剤が含まれている場合が多いので、磨いていると艶が出るのですが、それが理由で使用できない製品などもあります。
※メッキ製品や最初からつや消しが施してある商品などに使用してしまうと、メッキに影響が出たり、必要以上にピカピカになってしまう場合も!
そのクロスごとに記載されている注意点をしっかり確認してから使うようにしてください。
クロスでは磨けない様な部分の変色の落とし方
あまり複雑ではないデザインの場合には上記の方法で問題ないと思います。
ただ、デザインによってはきれいに磨けない部分もあります。
入り組んだ細かい隙間や、指輪の内面の凹み部分などの変色です。
そんな時に役立つのが、このようなシルバー専用のクリーナーです。
これは業界でも結構頻繁に使います。
変色が秒速で落とせますと書いてあり最初は半信半疑でしたが、一番初めに使った時は驚きました。
少し独特なニオイがするのですが、クロスと違って液体なので隅々まで黒ずみを落としてくれます。
リングやペンダントの場合には、割り箸などで挟んだり糸に通すなどしてドボンと浸けます。そうすると10秒程で黒い変色が落とせます。
変色しているシルバーの指輪を分かり易くする為に半分だけ浸けてみます。
この黒く変色した指輪が、
10秒程でこれです。
この後は流水でしっかり洗い流して、よく乾燥させます。
専用のクリーナー液を使う時の注意点
本当に簡単な作業でかなり変色が落とせますが、この方法で綺麗にする場合の注意点もあります。
最初から黒い部分がある製品には使用しないこと。
シルバー製品の中には、デザインとして最初から部分的に黒く燻してある物もあります。
これを液に浸けてしまうと落としたくない部分まで綺麗になってしまうので止めておきましょう。
その他には、宝石に付着しない様にという事や、保護手袋の着用など、注意点が記載されているので内容をしっかり確認してくださいね。
そして上記の洗浄液は銀専用なのですが、金やプラチナなどにも使用できるクリーナーもあるので使用目的に合わせて選んでください。
汚れが原因で曇っている場合
結論から言うと、これは単純に洗えばいいという事なのですが、洗い方やその場合の注意点を説明していきます。
汚れの原因と落とし方
日常使いで付着する汚れには、ホコリなど色々とありますが、落とし難いのは油分を含んだものです。
肌に触れる物なので皮脂汚れはもちろん、女性なら化粧品も付着しやすいです。
そして、この皮脂などは放っておくと蓄積して落ちにくくなりますし、宝石もジュエリー本体も本来の輝きが失われてしまいます。
油分を落としたい時には低刺激の食器用洗剤(合成洗剤は駄目)が効果的です。
特にダイヤモンドは油分を吸着するので、曇りの原因になります。そのような場合には、使い古した歯ブラシに食器用洗剤をつけ軽くこすって落とします。
落ち難いときはぬるま湯に浸けながら洗うと効果がありますよ。
そして、洗い終わったらよくすすぎ、柔らかい布などで水分をしっかり拭き取って乾燥させてください。
下記は代表的な宝石の一部ですが、
水洗い可能な代表的な宝石は、ダイヤモンド・ルビー・サファイア・水晶・ガーネットなど(石の状態によっては良くない場合もあります。)
水洗いしない方が良い宝石は、エメラルド・オパール・サンゴ・トルコ石・ラピスラズリなどです。
有機質のものは基本的に止めておきましょう。
可能とされている物でもその時の宝石の状態や、種類によって水に弱い場合がありますので、宝石が付いている場合には可能であれば水洗いの前に購入したお店に確認してからにしましょう。
超音波洗浄機で洗う方法もあるが、宝石が付いている場合は専門家に任せた方がよい
まず、超音波洗浄機が分からない人もいると思いますが、眼鏡屋さんの店頭などで見かける水の入った機械と言えば分かり易いと思います。
水中で細かい振動を利用して汚れを落とすので、歯ブラシなどで落としきれない部分も綺麗になりますし、とても楽で便利です。
ジュエリーを頻繁に洗いたい方や、眼鏡も使用されているという方は持っていても良いかもしれません。
価格はピンキリで数千円台~選べますが、価格によってパワーが違うなど性能に差があると思いますので、ジュエリーの洗浄にも使えるものを選んでください。
もちろんジュエリー屋さんのように、数十万もする様な超本格的なものでなくても充分です。
↓の様なものが洗浄器です。水やぬるま湯を張り振動で汚れを落とします。
そして洗い方ですが、私がやっている方法は
チャック付きの小さいビニール袋に中性洗剤とぬるま湯を入れる
↓
そこに洗いたいジュエリーを入れて、少し空気も含ませてチャックを閉める。
↓
ぬるま湯を張った超音波洗浄機の中に袋ごと浮かせて洗浄する
この後はしっかりすすいで水分を拭き取り乾燥させるだけです。
例えば指輪の内側にこびり付いた、このような場所の皮脂汚れが、
ここまで綺麗になります。
※ただ、この方法は宝石が割れてしまう場合がありますので、宝石の付いていない金属だけで出来ているジュエリーにして下さい。また、メッキ製品もメッキが剥がれる場合があるので止めておきましょう。
特に水分や振動にとても弱いエメラルドや、サンゴなどの有機質、その他にも超音波洗浄機に適していない宝石もあるので注意が必要です。
比較的よく超音波洗浄機で洗浄されるダイヤモンド付きのジュエリーでも、石の状態によっては割れてしまう事があります。
もともと表面まで達している深いヒビがあったり、隣り合っているダイヤ同士が洗浄機の振動で欠けてしまったりと、完全に大丈夫という保証は無いです。
万が一宝石が破損してしまった場合に、専門店では新しい宝石を留め直す事が出来ますが、そうでない場合は大変なので、ご自分で洗浄機を使用する場合には宝石の付いていない物だけと決めてしまった方が良いですね。
どうしても宝石が付いているジュエリーを超音波洗浄機で綺麗にしたい!その様な場合には専門店に相談した方が無難です。
まとめ
いかがでしたか?
分かってしまえばそれ程難しくない作業でジュエリーのお手入れが出来ます。
細かい傷も落として新品同様にピカピカにしたいという事であれば、専門の仕上げ直しが必要なので購入したお店に相談しましょう。
ポイント
黒い変色は、重曹や専用の磨きクロスで簡単に綺麗になる。入り組んだデザインのジュエリーの、隅々まで変色を落としたい時は、専用のクリーナー液につけると綺麗に落とせる。
宝石の付いていないジュエリーなら、超波洗浄機で洗浄すると細かい部分の脂汚れまで落とせる。宝石が付いているなら専門店にお願いした方が安全に綺麗に出来る。
眠っているジュエリーがあれば、お手入れしてあげて久しぶりに身に着けてみてはいかがですか?