ハンドメイドで作品を作った時には、これいいじゃん!!これなら売れそう!!そう思ったものの、いざ出品しても売れない・・。
最初にこのような経験をされる方がほとんどです。
そしてそのような方から、
「ハンドメイドで作った作品を、販売サイトで売り始めたけど思うように売れない・・。」
「テレビなどで見たら簡単そうだなと思って始めたけど・・。」
こうした相談を頻繁に頂き、アドバイスを求められることも多いです。
一応ですが私の本業は、百貨店に入っている有名ブランドなどの企業様相手のジュエリー制作なので仕事柄という訳です。(簡単な経歴は右のプロフィールを見てください。)
本業があるので、ハンクラサイト専業の方に比べるとそこまで時間を費やして運営しているわけではありませんが、それでも8桁いかない程度にはご購入いただいています。
素敵なお客様との出会いも沢山ありました。
沢山販売する為のコツというものがあるのか分かりませんが、相談を受けた時にものづくりを本業としている私目線でアドバイスしていることを書いていきます。
ものづくりが好きで、作り手も買い手も更に楽しんで盛り上がって欲しいので是非参考にしてください。
目次
作品が売れない時に最初に見直すべきこと
どうしたら売れるか悩んでいる時に、「ハンドメイド 売れない」といった感じで検索したりしてませんか?
その気持ちもわかりますし、何かヒントを見つけて改善できる人もいると思います。
ただ、言いにくいことを最初に書いてしまいますが、
作品がライバルよりも魅力的か?
何よりもまず一番最初にこれを冷静に分析してください。
売れない理由を検索すると、
・写真の撮り方を工夫
・自分のページの雰囲気を統一する
・ラッピングをオシャレにする
・おまけをつける
etc・・。
大抵こういうアドバイスを目にすると思います。
これはもちろん大切ですし、悪いことではないんですけど、優先順位が違うかなと思っています。
というのも、うすうす気づいている方もいると思いますが、
商品画像が暗くてもなぜか作品が売れてる人っていませんか?
これがヒントになります。
なぜか微妙な写真でも作品が売れている人
もちろんSNSで上手に宣伝したり、色々と努力されているからだとは思いますが、
- 欲しいと思わせるほど作品が魅力的で個性がある
この前提条件をクリアしているからだと思います。
逆に言えば、商品写真が少々悪くても素敵な作品なら売れてるんです。
というわけで、商品の写真・ラッピングなどの改善は後回しで良いと思います。(もちろんあまりにも酷いものはダメですが)
相談してくださる方の中にも沢山いますが、そもそもの商品はどうなのか?というところを最初に見直さない方が結構いますのでこれは伝えています。
ただ・・気持ちはよ~く分かります。自分の作品ってかわいいですからね^^
私自身が嫌という程経験しているので、とても言いにくい事ですが最初にアドバイスしています。
本業でもダメ出しはよくありますから・・。
先方のデザイン画通りに制作したものでも変更による手直しが何回も入ったり、ひどい場合には「やっぱりこうした方がいいから」という理由で作り直し・・・なんてことも日常茶飯事です。
作った自分的には全然悪くないと思うんだけどな~みたいな。
要するに、
自分では素敵だと思っていても、他人が欲しいと思うかは別問題
ということです。
しかも、商品としてお金を出してまで欲しいと思ってもらうのは、当たり前ですがとても難しいことです。
まずは友人や身内の方に相談し、率直な感想を聞くなどして作品自体を見直すのが最初に改善するポイント。
そこが改善できた後にそれ以外の部分を見直すのが良いと思います。
販売サイトを見直す
ハンドメイド作品を販売できるサイトには種類があります。
その中には、比較的価格の安いものが多く出品されているサイトから、プロが出品しているようなサイトまで様々です。
思うような結果が出ていない場合には、利用している販売サイトの価格帯や作品のクオリティーなどが自分にマッチしているか分析してみるのも一つの手です。
特にハンドメイド初心者のうちは、どのサイトが自分に合っているか分からない場合が多いので、
- 初期費用無料の販売サイトに複数登録して反応を見る
この方法がおすすめ。
どのサイトで一番売れるかは人によって違うので、自分に合った場所を選べているかもポイントになります。
初期費用無料のサイトを比較した↓の記事も参考にしてみてください。
自分の作品ページを見直す
ここからは人それぞれ理由があるかもしれませんし、ここだけ直せばと絞るのは難しいと思います。
何故なら、それが分かっていれば初めから困りませんからね。
じゃあそんな時にどうしたら良いかという方法を説明していきます。
人気作家のページと自分のページを比べる
本当に基本的な事ですが、とても効果が出た人もいます。
大体のハンドメイド販売サイトでは、出品者が過去にどの程度作品を売ったのか確認できると思います。
まずはそこに注目し、沢山販売している人気作家さんのページをいくつかピックアップしてみましょう。
そこで確認するのは、ハッキリ言って全部です。
いやいや大変でしょ・・、そう思うかもしれませんが確認する所はそんなに多くないので安心してください。
まずはプロフィールから
人気作家さんに共通しているのは、プロフィールがしっかりしている。
悪い例を挙げると、
・きままに色々作ってます。
このような感じで、一行だけだったりします。
これは極端な例(実際に見ました)ですけど、特に伝わってくるものがないですよね。
なんとなく作ってなんとなく販売して、暇つぶしかな?と、思われても仕方ないです。
別にこれが悪いと言っている訳ではないですよ。
これが、人気作家さんになると、制限文字数内に沢山の自分の情報を詰め込んであります。
・生い立ちや現在の事
・このジャンルの作品を作っている理由
・信頼出来ると思わせる説得力のある説明
・百貨店などの出展情報や受賞歴
・魅力的だなと感じさせるパーソナリティーの説明
上記のような内容が分かり易くまとまっています。
例えば、
自然に囲まれて育ち、大学卒業後に服飾に関する専門学校へ進学する。学校を卒業後は洋服のデザインに携わる仕事を経て、現在は自分のブランドを展開。主に生成りのお洋服が好きで、自然と調和するような温かみのある商品を製作しています。
上記は全然短く適当に書きましたがこの様なことです。
これをもっと具体的に書いて、その人が見えて魅力を感じてもらえるようなプロフィールだと作品を購入する時の安心感にも繋がります。
例外として、人気作家さんでもプロフィールが短い人もいますが、その場合はブログやSNSのアドレスなどが載っていて、そちらが充実している事が多いですね。
同じ商品を販売していても、愛想の悪い店員と、とても印象の良い店員さんだったら後者から買いたくなるのは普通だと思います。
これが対面販売ではないハンドメイドサイトでも同じかそれ以上に重要です。
良く分からないから止めておこうと思われるか、安心出来そうだから買おうと思ってもらえるか。
作品を手にとって見る事が出来ないからこそ、その他の要素も判断基準に含まれます。
プロフィールは作品の前に自分を売り込むつもりで書くと良いと思います。
ただ、いくら魅力的にしようと思っても大げさだったり嘘のプロフィールは駄目です。
写真で損をしているパターン
これも多いと思います。
そしてプロフィールよりも重要度は高いです。
なぜかと言うと最初に見るのは商品の写真だからです。いきなりプロフィールばかり閲覧する人はいないと思います。
気に入った商品を見つけたら、どんな人が作っているのか知りたくなりますし、購入前に安心したいから見に来るパターンです。
そう考えるとやっぱり商品画像には力を入れたほうが良いです。
上手く撮れたと満足していても、人気作家さんと比べると完全に見劣りしている場合もあるので見直すポイントの1つです。
なぜそうなるのか、それは写真の重要性が分かっていないから
作品を作り終えると、「やっと終わった~。後は出品するだけだ~。」と少し充実感がありますよね?
私の経験からだと、「後は出品するだけだ~」というその感覚は間違いです。
今の私の感覚だと、「これから撮影か・・一番大変なところだな」です。
出品するとなると、商品の画像を用意する必要がありますが、作品作りと同じくらい大変です。
プロの写真家でも同じような写真を何枚も撮ってその中から厳選しますよね?
私も実際に同じ写真を何枚も撮って、その中から厳選して画像を綺麗に見えるように修整しています。
しかも掲載画像が一枚だけという事はほぼ無いので、この構図で何枚、次はこの構図で何枚という感じで1商品で数十枚も撮ります。
ただ、昔と違い現像するまで分からないフィルムではないので、要らない画像は後で消してしまえば良いのでその点は助かります。
それ程ネット販売で商品写真は重要だと思っていますので、撮り方のコツと重要視する理由を下で解説していきます。
・手ブレを防ぐ
カメラを持つ手を台の上に置くなどして、しっかり固定する。場合によっては三脚なども使用する。
・絞りを調整する
商品の背景をぼかすのか、それとも全体を写したいのか。どこにピントを合わせるか明確にする。
販売サイトでは、1枚目の写真がサムネイルに使われるので、背景をぼかして商品をくっきり魅力的に写した画像を1枚目に使う。
・光の加減
おすすめは作品のサイドから光が当たるようにする事。手前や奥からだと平面的になりやすいですし、見せたい部分が目立たなくなります。
そして自然光で撮ると実物に近い色味になるのでお勧めです。
その際に直射日光だと濃い影が邪魔になる場合が多いので、レースのカーテンを閉めたり少し離れるなどして工夫してみて下さい。
レフ版(白い紙で充分代用できます)を使うと邪魔な影が消せるので便利です。白い大きな紙などでもOK。
・構図を工夫する
その作品の魅力が伝わるような立体的な構図を考えて、平面作品ではない場合には斜め上から撮る。
例えば陶器のコップなら内と外が見えるような構図の物を1枚。その後に横や背面から撮り、必要に応じて下からも写す。その説明的な写真は、2枚目3枚目で使用。
分かりやすいように下に図面を載せておきますので参考にしてください。右上の①がサムネイルになる様に1枚目に使用する構図です。それ以外は何枚目でも構わないと思います。
色々な角度からその商品の全体像が分かるように撮影するのがポイント。
・作品以外の工夫
なんとなく置いて撮影するのはその時点で駄目です。
例えば、白くペイントされた木製の板の上に作品を置いたり、その板を背景にしてみたり。作品と一緒にドライフラワーを置いたり果物を置いたり等々。
1例として今手元にある、シルバーの丸い輪(仕事で使うただの材料)を撮影してみます。本当に材料として使うただの輪っかです。
テーブルに置き撮影した輪っか。影の映りこみやピンボケなど酷すぎます。
同じテーブルに白い布を敷きリングケースに入れた輪っか
この2枚を撮影するのに5分もかかってません。
流石に1枚目まで酷い商品写真を使う人はいないと思いますが、布とリングケースを使うだけで全然違うのがわかると思います。
比較の為にたった今少し工夫しただけでこの差なので、実際にもっと時間をかけて撮影すると更に良くなるのは当然ですよね。
ただの材料の輪っかですけど、この画像を見せたら指輪の写真だと思う人もいるはずです。
その作品の雰囲気と合っている小物を利用するだけでグッと雰囲気がよくなります。
このように写真を撮る前段階の準備や小物などにも気を配り、そこから同じ構図で何枚も撮影。その後に写真を厳選して編集です。
小物の準備から写真の完成までに、場合によっては数日を費やす事もあります。
その時の作品数にもよりますが、私は実際にその様な感じです。
何故そこまで時間をかけて撮影するのか
理由は簡単です。
ハンドメイドサイトで購入してもらう為にはとても重要だから。
大げさではなく本当にそう思います。
沢山の作品の中から目に止めてもらい、まず一目惚れしてもらわないと商品ページを見てもらえないです。
見てもらえないなら必然的に売れない、こうなります。
もっと実感を持ってもらうために具体的な数字で説明しますね。
このブログを書いている2020年9月現在で、人気のハンクラサイトの出品数は、約1000万点です。
例として、アクセサリーだけに絞って検索しても約100万点以上あります。
100万分の1に選ばれてやっと購入してもらえるという現実・・。
ジャンルによって差はあると思いますが、購入前の選択肢に入れてもらう為に、まずは商品ページに来てもらわないといけません。
こう説明するとなかなかハードルが高いと実感できると思いますし、写真が重要だと分かりますよね?
これが商品写真が重要な理由です。
どうしても手間をかけずに撮影したい方は、こういう↓便利なものもあります。
綺麗でシンプルな白背景は間違いないので、それほど大きくない作品を撮影するならおすすめです。
正面だけではなく上の窓からも撮影できますし、全体に光が当たるようになっているのでライティングの心配がなくなります。
そして白背景は画像の切り取りなどの編集もとても楽です。
同じような商品だと目立たない
これはタイトルそのままの意味になりますが、思う様にいかない場合にはこれが原因の可能性もあると思います。
個性が出ない理由
テレビの特集などでも、結構簡単に作って出品してますよね?
実際にその様に気軽に参加できますし、作り手にとってはハンクラサイトが盛り上がるのはとても嬉しいです。
その反面「誰でも気軽に出来てしまうから作品が似てしまう」という現象が起こるのは仕方の無い事だと思います。
例えば何か材料を買うとして、お店にしろ通販にしろ無限にある訳ではありません。多くの人が同じようなお店でパーツを買って、それを組み立てて作れば似てしまうのは必然だと思いませんか?
まあ、アレンジ次第という部分もありますが・・、
ものすごいセンスを持っている人でなければ相当難しそうです。
そうでない場合には、単価を下げて価格で勝負するしかなくなり疲弊してしまう場合もありますから。
これは、良い悪いという事ではなく不利だという事です。
何故不利なのか?
ハンクラサイトが始まった初期の頃なら、ライバルも少ないですしそれで良かったかもしれません。
ただ、同じ様な作品で後から勝負するのが何故不利なのかというと、
レビューや実績が無いから。
この一言に尽きます。
簡単な理由なのですが、あなたも同じような作品で購入を迷っていたら、レビューの多い方から買うはずです。
基本的に顔の見えないハンクラサイトなので、レビューの多さや販売実績などはとても影響してきます。
安心感も一緒についてくるなら、多くの人がそちらを選ぶと思います。
要するに、後から参加するならどのように作品に個性を出すかを考える必要があるという事です。
例えばアクセサリーを作るなら、
既製品だけではなくオリジナルのパーツを作りそれも使用する。
これなら間違いなくオリジナリティーが出せますし、他人と被る事はまずありません。
そして、今では少し勉強すれば色々な形を比較的簡単に作る事が出来ますので、ほんの少しレベルアップするだけでかなり差がつくはずです。
大体そんな話をしていると、
じゃあ初心者でも始めやすい基本的なピアスの作り方を教えて!
これをよくお願いされます・・。
本当に多いので、一度ブログに書いておくことにしました。
(ブログに書いておいたからそれ読んで作ってみて~と答えられるように(笑)
とりあえずアクセサリー作りの基礎が詰まった、基本的な指輪の作り方やピアスの作り方なので興味があればやってみてください。(これが出来てしまえばパーツ作りは簡単です。)
まとめ
全然売れない時は、人気作家さんのページと比べると違いが分かりやすい。プロフィールや写真を参考にして魅力的な内容になる様に見直す。
・写真は大切なポイントだと意識して、小道具や光の加減、構図なども考えて一目惚れしてもらう様に仕上げる。これを積み重ねていくと、作品一覧のギャラリーページの雰囲気も格段に良くなる。
現状よりも少しだけ高い技術を身につけられれば、個性的な作品が作り易くなる。オリジナリティーが出れば作品の単価も上げやすい。
数百万点の中から選んでもらうには、見えない部分での努力も欠かせないと思います。そしてある程度実績がある作家さんは当たり前のようにやっているはずです。
行き詰った時には今回紹介したポイントを見直してみてはどうでしょうか。