1. はぐれメタルを銀で作ってみた!
「はぐれメタルの実物があったら…?」
ドラクエファンなら一度はそんな妄想をしたことがあるかもしれません。
そこで今回、彫金技術を活かして、**銀の端材を使った「本物のはぐれメタル」**を作ってみることにしました!
ジュエリー制作では、金属を溶かして成形する工程が欠かせません。その過程で偶然、**「溶けた金属がはぐれメタルそっくり!」**と気づいたのが今回の制作のきっかけです。
ただし、単に溶かしただけでは終わりません。リアルな「はぐれメタル」らしいフォルムを追求し、細部までこだわった制作プロセスを経て完成させました。
本記事では、実際の制作過程を画像付きで詳細に解説しながら、ドラクエファンの夢を形にした様子を紹介します。
ハンドメイドやジュエリー制作に興味がある方はもちろん、「はぐれメタルの実物が見たい!」というドラクエ好きの方も楽しめる内容になっています!
次のセクションでは、このアイデアがどのように生まれたのか、そのきっかけを詳しく紹介していきます。
2. 制作のきっかけとアイデアの誕生
なぜ、**「はぐれメタルを作ろう!」**と思ったのか?
実はこのアイデアは、ジュエリー制作の作業中の何気ない発見から生まれました。
ジュエリー職人として日々制作をしていると、金属を溶かす作業をする機会が多くあります。特に、銀の端材や使わなくなった指輪を再利用するために、バーナーで熱して金属を溶かし、再成形する工程は頻繁に行います。
ある日、いつものようにチョコ皿に銀の端材を入れて溶かしていると、ドロッとした金属がゆっくりと広がりながら、ぷっくりとした独特の形状に…。
「これ、はぐれメタルみたいだな…」
その瞬間、ドラクエファンの血が騒ぎました。
「だったら、本当にリアルな『はぐれメタル』を作ってみよう!」
もちろん、そのままでは単なる銀の塊にすぎません。
**「頭の丸み」や「スライム特有の流れるようなフォルム」**を再現するためには、彫金の技術を駆使して細かく成形する必要があります。
さらに、はぐれメタルの特徴的な「つぶらな瞳」と「無表情ながら愛嬌のある口元」も、細かい彫刻作業を施してリアルに仕上げることにしました。
こうして、「本物のはぐれメタルを作る!」というハンドメイドプロジェクトが始動しました。
次のセクションでは、実際に使用した道具を紹介します。
3. 使用した道具・材料の紹介
はぐれメタルを銀でリアルに再現するためには、ジュエリー制作で使う専門的な道具を活用しました。
ここでは、実際に使用した道具と材料を詳しく解説していきます。
目次
使用した道具一覧
1. バーナー
- 用途: 銀を溶かすために使用。約900℃以上の高温で銀を液状化する。
- ポイント: 均等に熱を加えないとムラが出るため、丁寧に炎をコントロールする必要がある。
2. チョコ皿(溶解皿)
- 用途: 銀を溶かす際の受け皿として使用。
- ポイント: 耐火性が高く、溶けた金属が均等に広がるよう設計されている。
3. 金鎚(かなづち)
- 用途: 銀の塊を叩いて形を整えるために使用。
- ポイント: 叩く力加減によって、微妙なフォルム調整が可能。
4. 矢坊主(やぼうず)
- 用途: 銀を丸みのある形状に整えるために使用。
- ポイント: 半球状の形を作るのに最適。
5. サイコロ(金属ブロック)
- 用途: 半球形にするための型として使用。
- ポイント: 均等なカーブを作るのに適している。
6. ヤスリ
- 用途: はぐれメタルの輪郭をなめらかに削る。
- ポイント: 粗削りから仕上げまで、細かく調整可能。
7. バフ(研磨機)
- 用途: 銀をピカピカに磨き上げるために使用。
- ポイント: はぐれメタル特有の金属のツヤ感を出すための重要な工程。
使用した材料
1. 銀(シルバー)
- 用途: はぐれメタルの本体として使用。
- ポイント: 端材や使わなくなった指輪を溶かして再利用。
2. ホウ砂
- 用途: 金属を溶かす際に使用し、酸化を防ぐ。
- ポイント: 金属の表面をなめらかに保つ役割も果たす。
まとめ
はぐれメタルの制作には、ジュエリー制作ならではの道具や材料を駆使しました。
次のセクションでは、実際の制作手順を詳しく解説していきます!
4. 【画像付き】はぐれメタル制作の手順
ここでは、実際に銀を溶かし、成形して「はぐれメタル」を完成させるまでの工程を画像付きで詳しく解説します。
STEP 1:銀を溶かして塊を作る
まずは、使わなくなった銀の端材や指輪を溶かして、はぐれメタルのベースとなる塊を作ります。

- チョコ皿(耐火皿)に銀の端材を置く。
- バーナーで約900℃以上に加熱し、銀を溶かす。
- ホウ砂を加え、酸化を防ぎながら均一に溶かす。



- 銀が完全に液体状になったら火を止め、丸い形状で少し待つ。
- 水で急冷し、銀の白い塊が完成。


STEP 2:頭の高さを出す(半球状にする)
はぐれメタルの形にするため、銀の塊を丸く成形していきます。
- 矢坊主と金鎚を使い、銀の塊を叩いて半球状にする。
- 加工を繰り返すと銀が硬くなるため、途中で焼きなまし(熱して柔らかくする作業)を行う。


STEP 3:滑らかなフォルムを作る
次に、はぐれメタル特有のなだらかな形を作ります。
- 金鎚を使い、余分な高さを抑えながら丸みを整える。
- 全体が自然に見えるように、輪郭をなめらかに調整。
- 細かい部分はヤスリで削り、仕上げる。

STEP 4:顔と目を彫刻する
いよいよ、はぐれメタルの表情を作ります。
- 目と口の位置を慎重に決め、彫刻。
- 銀の破片を溶かして小さな球体を作り、目として取り付ける。
- ロー付け(銀を接着する技法)で目のパーツを固定。
STEP 5:仕上げ(磨き&最終調整)
最後に、はぐれメタルらしい光沢を出します。
- バフ(研磨機)を使い、表面をピカピカに磨く。
- 全体のフォルムを最終チェックし、細かい修正を加える。
完成! 実物のはぐれメタルはこれだ!

5. 【比較】公式フィギュア vs. 実物
「はぐれメタル」といえば、ドラクエシリーズの中でも特に人気の高いモンスター。公式フィギュアも多数販売されていますが、今回制作した“本物の銀製はぐれメタル”とどれほど違うのでしょうか?
ここでは、**「公式フィギュア」と「銀製はぐれメタル」**を比較して、それぞれの魅力や特徴を分析します!
引用 スクエアエニックス e-STORE https://store.jp.square-enix.com/item/MW36127_1.html
比較①:質感と素材の違い
公式フィギュアの特徴
- 素材: ダイキャスト金属製(ダイキャストとは、アルミニウムや亜鉛、マグネシウムなどの合金を高温で溶かし、金型に流し込む鋳造法の一種。 溶けた金属を流し込んで成型するので、元となる金型次第で高精度で複雑な形状に対応できるのが特徴。 しかも、大量生産に適しているためコスト面でも有利。
- 質感: 滑らかでツルツル
銀製はぐれメタルの特徴
- 素材: 銀(SILVER950)
- 仕上げ: 金属光沢
- 質感: ひんやりとした冷たさ、ずっしりとした重み
結論:
公式フィギュアは気軽に楽しめるが、銀製はぐれメタルはまさに“本物の質感”を味わえる!
比較②:重さとサイズ感
公式フィギュア
- サイズ:高さ約20mm×約幅65mm
- 重量:約110g
銀製はぐれメタル(今回制作)
- サイズ:約 高さ8mm×幅31mm(やや小ぶり)
- 重量:約24g(本物の銀の重み)
結論:
銀製はぐれメタルは公式比べると小ぶりだが、銀の比重が高いので大きさの割には重量感がある!
ペーパーウェイトとしても活用可能。
比較③:価格と入手難易度
公式フィギュア(価格)
- 約1,980円
銀製はぐれメタル(素材&制作コスト)
- 素材費:銀の相場による(2025年3月時点で約5,000円相当)
- 制作時間:約5時間(手作業)
結論:
公式フィギュアは安価&手軽だが、銀製はぐれメタルは唯一無二の価値がある!
まとめ:公式 vs. 銀製、どっちが魅力的?
比較項目 | 公式フィギュア | 銀製はぐれメタル |
---|---|---|
素材 | ダイキャスト金属製 | 銀(SILVER950) |
光沢感 | 金属の艶 | より重厚感のある金属の輝き |
重量 | 約110g | 約24g(本物の銀) |
価格 | 約1,980円 | 制作費+銀の相場(10,000円以上) |
価値 | 市販品 | 世界に一つだけのハンドメイド作品 |
結論:コレクターならどっちを選ぶ?
公式フィギュアは手軽で飾りやすいが、銀製はぐれメタルは所有欲を満たすプレミアム感がある!
「はぐれメタル好き」なら、ぜひ一度本物の銀で作ってみるのも面白いかもしれません!
6. 実際に使ってみた&気づいたこと
銀製「はぐれメタル」を制作してみて、実際に使ってみたところ、いくつかの面白い発見がありました。ここでは、ペーパーウェイトとしての実用性や、金属ならではの特徴について解説します!
実際に使ってみた感想
ペーパーウェイトとしての実用性
制作後、デスクの上に置いてみると…意外と「ちょうどいい」重さ!
重さが約24gあるので、書類の上に置くとしっかり固定され、風で飛ばされることがありません。
光沢による“擬態”効果!?
机の上に置いていると、周りの風景が映り込んで意外と目立たない!
特に木目の机の上では、予想以上に背景と一体化してしまい、「リアルなフィールドに現れたはぐれメタル」感が強い。

気づいたポイント
あまり見ることが出来ない、はぐれメタルの後頭部を見て触ることが出来た。

結論:銀製はぐれメタルは実用的
ペーパーウェイトやインテリアとしては優秀!
公式フィギュアとは違い、実用性とアートの両方を兼ね備えた一品となりました!
7. まとめ:はぐれメタル制作の楽しさと今後の挑戦
はぐれメタルを作ってみて感じたこと
今回の制作を通じて、彫金技術を活かして**「好きなものを形にする楽しさ」**を改めて実感しました。
銀という素材を使い、一から成形することで、市販のフィギュアとは違う「オリジナルの魅力」と愛着が生まれます。特に、金属ならではの光沢や重みが、はぐれメタルのリアルさを際立たせました。
今後の挑戦
より精密なディテールに挑戦!
今後は、目や口の彫刻をさらに精密にし、より公式デザインに近づけることを目標に。
他のドラクエモンスターも制作!
スライムやメタルキングなど、ドラクエの人気モンスターを金属で再現していくのも面白そうです!
まとめ
銀を使った「はぐれメタル」制作は、ジュエリー制作の技術を活かしながら、趣味と実用を兼ね備えた楽しいプロジェクトでした。
これからも、ものづくりの楽しさを伝えられる作品に挑戦していきます!
